(独り言)2分36秒0
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ゲートが開いてから1周目の4コーナー、
そして直線への入り口。
アーネストリーは他の馬から離れるかのように、
かなり外を回っていた。
佐藤哲三騎手はきっと先頭に立ちたくなかったのだろう。
外目の枠を引いていたせいもあるが、
内側に切れ込まずに、
その内側から何か他の馬が前に行ってくれるのを
待っているかのような雰囲気だった。
しかしどの馬も内側から抜けだしてハナを奪おうとはせず、
アーネストリーと佐藤哲三騎手は渋々ハナへ・・・。
見た目にもかなり緩い流れの競馬だった。
1ハロン14秒台のラップタイムが2度もあった。
勝ち馬オルフェーヴルの走破タイムは2分36秒0。
この日の8Rに組まれた
3歳以上1000万下グッドラックハンデキャップを勝った
コスモロビンの2分33秒3よりも
かなり遅い時計になってしまったことが話題となっている。
G1戦、しかも最高峰のG1戦有馬記念の時計が、
1000万下よりも遅いなんて・・・。
そう思った人も多いだろう。
だが私は思った。
「だから競馬は面白いのだ」と。
逃げ・先行馬に騎乗してレースを引っ張っている騎手も、
差し・追い込み馬に騎乗して後ろで脚を貯めている騎手も、
誰もが「勝ちたい」レースなのだ。
逃げ・先行馬に騎乗した騎手は皆、
「勝つ」ために他の馬の目標となるのを嫌がったのだろう。
アーネストリーがなかなかラチ沿いのポジションを
取ろうとしなかったのも、
きっとその為だったに違いない。
どの騎手もスタート直後から2500メートル先のゴールまでの間、
お互いに牽制し合い、
様々な駆け引きを繰り返していたのだろう。
だから流れは緩くなる。
どの騎手も「誰か前に行ってくれないかなあ・・・」とか思いながら
乗っているのだから。
佐藤哲三騎手の乗り方に不満を持つ人もいるだろう。
宝塚記念を勝った時は速い流れの競馬を
道中2番手から押し切ったのだから。
私もアーネストリーを馬券戦略上で狙っていたので、
そんな騎乗をして欲しかった。
だが佐藤哲三騎手はきっとそんな私の期待とは
全く異なることを考えていたのだろう。
そんな騎手の心理状態や考え方を読めなかった時点で、
私は負けだったに違いない。
以前ならこうした騎手の乗り方にかなりイライラする事もあった私だが、
最近は「馬券は馬だけではなく、乗っている騎手も含めて買うものだから」
と思うようになった。
アーネストリーと佐藤哲三騎手だけが有馬記念で走っていた訳ではない。
他の12頭の馬、そして12名の騎手との兼ね合いの中で走っているのだから。
その中でもし馬券を買っている騎手が誤った判断をしていたのなら、
そんなミスを犯した騎手を買った人も間違った判断をしているのだ。
「もっとレースが速い流れになるように引っ張って欲しかったのに・・・」
などと嘆いても仕方がない。
今回の件が佐藤哲三騎手のミスと言い切っていいのか?については
色々議論があるのだろうけど。
競馬は「走破タイム」を競い合う競技ではない。
「1着」を競い合う競技なのだ。
だからG1戦が条件戦よりも遅いタイムで決着することに
大きな意味はないと私は思う。
むしろ誰もが勝ちたいと思う有馬記念ならではの
出来事ではないだろうか。
これも競馬の一つの側面であり、面白さなのだと思う。
「2分36秒0」という走破タイムを見た瞬間、
私はそんなことを考えた。
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