[日記]カペラSの話
8日(日)は香港国際競走での日本調教馬の活躍や、阪神ジュベナイルフィリーズでレシステンシアが強い勝ちっぷりを見せたことの他、中山のカペラSをコパノキッキングで制した藤田菜七子騎手がJRA所属の女性騎手としては初めてとなるJRA重賞勝利を挙げた点も話題となりました。
コパノキッキングは昨年のカペラSも勝っていますので、チャンスがある馬の手綱を取っていたことは確かです。しかし、柴田大知騎手が手綱を取っていた昨年の優勝時、そしてオイシン・マーフィー騎手が騎乗して勝利した今年の根岸Sの時は、後方から直線で末脚を繰り出す競馬での勝利でした。藤田菜七子騎手に乗り替わったのはその後のことになります。
藤田菜七子騎手とのコンビで最初に挑んだフェブラリーS(5着)、そして続く東京スプリント(大井、2着)は同じく後方からの競馬でした。しかし、その後のクラスターカップ(盛岡、3着)、東京盃(大井、1着)、JBCスプリント(浦和、2着)はいずれも前で流れに乗る競馬でした。この1年でコパノキッキングという馬は大きく脚質転換したことになります。
もちろん、コパノキッキングという馬に地力があったことは確かでしょう。そして、村山明厩舎のスタッフがしっかりと調整していたからこそ、結果を残すことが出来たのも事実でしょう。しかし、脚質転換というものは、騎手自身の手で成し遂げなければなりません。時には「レースを教える」ということも必要でしょうし、レース中に騎手自身も様々な判断を迫られるに違いありません。
つまり、藤田菜七子騎手に騎手としての技量が備わっていなければ、コパノキッキングは脚質転換に成功しなかった筈なのです。その脚質転換を図った上で結果を出した藤田菜七子騎手はその点でも評価されるべきだと、私は思っています。
単にチャンスが多く回っているから、結果を残している訳ではありません。彼女自身の騎手としての実力も上がっているからこその結果なのではないでしょうか。あくまで、個人的見解ではありますが。