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騎手免許の価値(後編)

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(上から続く)

安藤勝己が中央に移籍した頃、
中央と地方の「ダブル免許」という話が議論になった事が
ありました。
しかし、本人が望まなかった事もあって、
この話はいつの間にかなくなってしまいました。
その後、同様に地方から中央への移籍を果たした
小牧太、赤木、柴山の際には、
「ダブル免許」については議論にさえなっていません。
この背景は何なのか?
中央と地方の賞金格差の話もあるかもしれない。
でも私はもっと違うところに原因があるような気がしています。

地方競馬の騎手免許を発行するのは地方競馬全国協会(NAR)。
その名の通り、全国組織です。
免許を発行する組織である以上、ある一定の「権威」がある組織である筈。
しかし本当に、その「権威」は存在するのか。
他地区からの移籍の際に、免許の返上と約1年間の厩務員生活を「内規」として強いる兵庫。
移籍にあたって、年齢制限を設ける大井。
こうして地元の意向の方が優先されるこの現状、
免許発行者であるNARの「権威」って、一体何なのか?
さらに地方で2000勝、3000勝以上挙げている騎手に、
試験を課して合格しなければ騎手免許を発行しないJRA。
その騎手本人だけではなく、
免許発行者そのものが馬鹿にされている現状をどう考えればいいのか?

今、地方競馬の騎手の多くは
その自分達の存在の危うさを実感しているに違いありません。
廃止された競馬場の騎手たちの「その後」がその危うさを証明しています。
今年の大井の状況を見聞きしたり、聞こえてくる噂話を基に考えると、
南関東も果たしてどうなのか?
私が初めて大井に足を運んだ頃から、
内田博幸は大井で活躍している騎手でした。
だからいつまでも「大井の内田」でいて欲しい。
でもその大井でさえ、どうなるのか分からない今、
彼を大井に縛り付ける権限は誰にもないのが現状でしょう。

昨年の笠松でのシンポジウム、
そして先日のオグリキャップのお披露目に笠松に駆けつけた安藤勝己の姿は、
彼は決して笠松を捨てた訳ではないことを証明しています。
小牧太が府中でホリエモン(馬)に騎乗した時、
駆けつけたライブドアの社員に
「兵庫もよろしくお願いします」と話したと聞いています。
彼等は出身の競馬場を捨てた訳ではないと私は思います。
捨てたのは「NAR発行の地方競馬の騎手免許」ではないでしょうか。

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