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(重賞回顧)2002年第32回高松宮記念~優勝馬:ショウナンカンプ~

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勝ち馬はショウナンカンプだが、
別の馬の話になってしまうことを
お許し頂きたい。
このレースが引退レースとなった
あるG1馬の話である。

G1を含めて重賞タイトルは5つ。
そのG1を制した時は3番人気だったが、
1999年の桜花賞、2000年の安田記念では1番人気、
2001年の安田記念でも2番人気に支持されるなど、
とにかくファンの多い馬だった。
そんな彼女がこの高松宮記念を最後に引退する。
しかし引退レースがこのレースとなった事に
驚きを感じた人は少なくなかった。
私もこの馬が出走してきたことに驚かされた。
何故ならデビュー以来、
1200メートル戦を走ったことがなかったのである。
明らかに距離不足だと思われた。
しかしその初めての1200メートル戦で
「さすがG1馬だ」という走りを彼女は見せたのだ。

「彼女」という言い方で
その馬が牝馬であることがわかった方は多いだろう。
1998年の阪神3歳牝馬S優勝馬、
スティンガーである。
サンデーサイレンス産駒、
美浦・藤沢和雄厩舎の管理馬であるが故に
常に注目を集めた。
2000年、2001年には
京王杯スプリングカップを連覇した。
しかし2つ目のG1タイトルに手が届かないまま、
引退レースの日を迎えることになった。
高松宮記念もG1だ。
しかしこの距離のスペシャリスト達を相手に、
タイトルを奪うことは難しいに違いない。
そんな事を考えながら、
私はスタートを見守った。

予想通り、最後方からのレースとなった。
彼女がこれまで経験したレースとは
流れが明らかに異なる。
おまけに小回りで直線が短い中京競馬場での一戦。
とても前には届きそうもない。

レースはハナを奪ったショウナンカンプの脚色が
直線に入っても衰える気配を見せない。
そのショウナンカンプを直後で追走した
アドマイヤコジーンも2番手のポジションを
死守するのが精一杯という雰囲気。
その時だった。

馬群の外から追い込んでくる馬が1頭。
何と最後方にいたスティンガーだった。
田中勝春のアクションに応えて
懸命に末脚を伸ばしている。
上がり3ハロンは34秒2。
メンバー中、最速だった。
道中の位置が後ろ過ぎて3着まで。
しかし2着のアドマイヤコジーンとはクビ差である。
生涯最初で最後のの1200メートル戦で
スティンガーはG1馬らしい底力を見せたのだ。
無理があると思われたこのスプリント戦参戦でも
彼女は4番人気に支持された。
きっと彼女の単勝馬券を持っていたファン達も
この走りなら納得だろう。
私も中京で清々しい気分で
スティンガーの追い込みを見守った。

もっと早い時期から
この距離でのレースを使っていたら・・・。
とも当時は少しだけ考えた。
でもそれはきっと勝負の世界では言ってはいけない
「タラレバ」なのだろう。
どう考えても不向きな舞台で
彼女らしい末脚を見ることができたのだ。
その姿は勝ったショウナンカンプよりも
強く印象に残っている。

2002年3月24日(日)
中京11R
第32回高松宮記念(G1)
中京・芝1200メートル

1着3枠 5番ショウナンカンプ(57・藤田伸二) 1分8秒4
2着5枠 9番アドマイヤコジーン(57・後藤浩輝) 3 1/2
3着8枠16番スティンガー(55・田中勝春) クビ
4着7枠15番リキアイタイカン(57・武幸四郎) 1 1/2
5着6枠12番トロットスター(57・蛯名正義) クビ

 

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