ＮＡＲグランプリ表彰式＆祝賀会　今回の主役は？

例年、「ＮＡＲグランプリ」の表彰式＆祝賀会というと、
船橋の川島正行調教師の存在感が非常に大きく感じられる場、
となっていました。
今年も川島先生は紋付羽織袴で登場されたのですが、
今年はこの２人に注目度の面で劣ってしまった感があります。

山本茜（愛知）、別府真衣（高知）の同期女性騎手コンビには常に
メディア関係者が群がっていましたね。
ツーショットでポーズを取る２人も、
はじめは照れのせいか、ぎこちなさそうだったのですが、
次第に慣れてくると堂々とした感じに・・・。

山本茜の方は「男性騎手に見劣らないように」と
優等生的な発言だったのに対し、

別府は「茜には負けたくない」を記者会見で連発。
でも仲は良さそうでしたね。
いいライバル関係のようですな。

さて、私自身はこの人も存在感を大きくなっているな、と感じました。

内田博幸に対し、会見では「このまま地方の枠に収まり続けるのか？」
という質問が出ました。
彼は「まだ考えている段階」として明確な回答は避けたのですが、
「考えている」中身を聞いた時、
私は「この人の中央移籍はないだろう」という想いを抱きました。
彼が期待しているのは

「地方所属のままで、ＪＲＡにも参戦する」

ことのように思えます。
もちろんその為には制度が変わらなければなりません。
まだきっと時間がかかるでしょう。
同時に、彼は地方騎手がやみくもに中央競馬を目指す事についての疑問も
投げかけていました。

「地元の競馬の売上に貢献しなければならないし。」

そして「自分」とは言わないまでも、
「地方のスタージョッキーがいなくなる事」への懸念も語っていました。
もっとも

「いなくなればいなくなったで、誰か代わりが出てくるものですけどね。」

とも言っていましたけどね。
ここが今の彼の悩みなのでしょう。
もちろん、自分一人で決められる問題でもないでしょうし。
でも「地方所属騎手」である自分の立場を強く意識し、
深く考えている事は会見での発言を見ていて感じました。
それは自分の将来だけではなく、
他の地方競馬のジョッキー達の事をも意識しての発言のように感じました。
各地区でトップを争うジョッキー達のレベルの高さ、
そして南関東の若手騎手たちの成長ぶり、
そんな所にまで会見で彼は触れていました。
今までメディア関係のインタビューでもそんな発言をした事は
なかったのではないでしょうか。
その一方で年度代表馬の表彰の際、
花束を渡したファン代表に自ら手を差し出して握手を求める一面も。
成績だけではなく、その姿勢で自らが「地方競馬を引っ張る」という決意。
そんな雰囲気をこの日の彼から感じました。
中央に移籍して活躍するのではなく、
「地方代表」として中央競馬で戦う。
きっと彼はそんな選択をするように思えます。

昨年の後半、やはり体力的にはキツかったようですね。
今年は体に気をつける旨のコメントが目立ちました。
その上でこんな目標を掲げていました。

・地方で年間４００勝

・通算３０００勝の達成

・地方馬で中央Ｇ１獲得

上の二つはやや控え目ですが、
最後の１つは大きな目標ですね。
今年も内田博幸からは、間が離せそうにありません。