証券取引等監視委員会は21日(金)、
競走馬に投資するファンドを運営する
エプソム愛馬会とジャパンホースクラブを検査の上、
金融商品取引業者に係る法令違反等の
事実が見られたため、
内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、
金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、
行政処分を行うよう勧告した。
両社は出資金の分別管理の確保のために、
定款等により分別管理に関する規定を設けていなかった。
更にエプソム愛馬会は、
同社の収益となる会員からの入会金と、
ファンドの財産となる維持費出資金を
同一の口座に混在させて、
愛馬会固有の財産とファンドの財産の
分別した管理が確保されていない状況で、
ファンドの持分の私募を行っていることが
明らかとなった。
これらの行為は金融商品取引法第40条の3に違反すると
同委員会は指摘している。
またジャパンホースマンクラブ取締役兼
エプソム愛馬会統括部長は、
ジャパンホースマンクラブ代表取締役兼
エプソム愛馬会取締役の指示で、
ジャパンホースマンクラブの賞金等受取口座から金銭を出金し、
直接又はジャパンホースマンクラブ社社長の個人口座を経由し、
両社の金融機関からの借入金の返済、
維持費出資金で支払うべき厩舎、牧場等への支払い、
両社に対するジャパンホースマンクラブ社社長個人からの
借入金の返済などに充当されていたことが明らかになっていた。
この金銭の流れは「契約締結前(時)交付書面」
において規定されたとおりに
賞金等の管理を行っているとは認められず、
賞金等の管理に不備があると同委員会は指摘している。
またエプソム愛馬会は競走用馬の飼養管理に要する費用として、
会員から「維持費出資金」を受領しているが、
会員から入金された維持費出資金が顧客への分配金、
借入金の返済及び両社の会社経費に充当されていたことが
明らかとなった。
同委員会はこの点を維持費出資金の目的外使用と
指摘している。
一方でエプソム愛馬会は今年2月10日(水)現在、
ファンドに係る費用の厩舎等への支払いを滞納していることも
明らかになった。
同委員会はこの状況について、
厩舎等の管理委託先でファンド資産である競走用馬の
維持管理に支障が生じ、
その結果として投資者の利益を害する恐れがある、
と指摘している。
更にエプソム愛馬会は交付書面で維持費出資金について、
出資対象馬の1歳11ヶ月以降からこの出資金が発生すると
説明しているにも関わらず、
多くの競走馬において、1歳11ヶ月以前の維持費についても、
会員から出資金を受領している実態があったとのこと。
一方、ジャパンホースマンクラブは、
JRAの競走馬登録を抹消され、
ファンド終了となった競走馬について、
地方競馬の馬主資格を持つ同社取締役に
公正な評価に基づく適正な評価を行うことなく、
無償譲渡していた。
同委員会は譲渡される競走馬について
ファンドの財産である以上、
公正な評価に基づく適正な価格で売却し、
売却代金は当該ファンドの会員に分配すべきものである、
と指摘している。
同委員会によると、
両社は昨年10月13日(火)を検査基準日とする
関東財務局の検査を拒否、
検査の受忍義務に悖る対応を行ったとのこと。
この点について、
両社の「法令遵守態勢」が欠如している点についても
同委員会は指摘している。
同委員会は以上の点から、
両社の業務の運営の状況が、
金融商品取引法第51条に規定する
「金融商品取引業者の業務の運営又は財産の状況に関し、
投資者保護のため必要な改善を図る必要がある業務の状況」
にあると認定した。
株式会社エプソム愛馬会及び株式会社ジャパンホースマンクラブに対する検査結果に基づく勧告について(金融庁公式サイト)